学会の理念と使命

 日本マネジメント学会は、2011年7月1日、「日本経営教育学会」から「日本マネジメント学会」に学会名称の変更をいたしました。  本学会は、2009年(平成21年)に創立30周年を迎えましたが、創立者である故山城章の「実・学一体の実践経営学」と理念に基づき、有能な経営者・管理者を育成するための経営教育を研究・実践する学会として活動してまいりました。本学会は、経営関連の諸学会の中で、特に「実践経営学」と「経営教育」に学会のアイデンティテイを有する存在として、きわめて重要な位置を占めております。

 日本マネジメント学会における研究活動の対象は、企業および非営利組織一般のマネジメント研究にあります。 マネジメントに関するアカデミックな原理研究と実務的経験との交流を通じて、「新たな知の創造」と「有能な人材育成」を図ることが本学会の使命であります。

 本学会における研究は、日本型マネジメントの研究を基礎として、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各国におけるマネジメントの実践・研究の交流を通じて、比較経営的なマネジメント研究として展開されております。アメリカ経営学会の経営教育部会との研究交流はその一例です。また、「実・学一体」の理念を実践するために「産学交流シンポジウム」を開催し、実務界と学会が一体となり、その時々の重要なテーマについて研究交流する場を設けています。

 このように、日本マネジメント学会はこれまで、産学交流集会・国際交流集会等を通じて実践経営学の確立と有能な人材育成のための活動を展開し、大きな成果を上げてきました。「マネジメント」に関心をお持ちの研究者・実務家の方々、これからマネジメント研究を志す方々の積極的な参加を期待しています。

学会創立趣意書

 新世代、さらに次の世紀における経営学は、新しい時代の要請に対して、積極的に応えうる実践経営学として再生しなければならない。実践の学としての経営学は、その基本についての原理的研究をまず必要とするが、さらに具体的体験をふまえ、変容する環境に即応できる有能な経営者・管理者の育成・教育を内容とするものでなければならない。

 実践経営学的教育は、経営体のマネジメントを中心とし、財務、会計、マーケティング、労務、生産等の研究を一体として行なうことが必要である。また大学や大学院における研究にとどまらず、企業内教育やいわゆるノンビジネス教育における経営者、管理者の能力育成として行なわれるべきものである。学界、実務界の区別なく、実と学が一体となり、研究を推進することが必要である。 日本経営教育学会の研究は、わが国の企業やノンビジネスその他の組織体を研究対象とするものであることから、日本的経営研究を中心とし、さらに国際的経営研究との比較経営研究によらなければならない。内外にわたる実践的、教育的経営学研究を進めることによって、有能な日本的経営者・管理者および国際的経営者を育成することができると考える。このような研究こそ、次の世代、21世紀における実践経営学の最も緊要な課題であると痛感する。

 以上の趣旨により、ここに「日本経営教育学会」を設立するものである。経営教育研究に専念する者は、本学会を場としてともに啓発しあい、経営教育の推進・向上を図りたい。ひろく多数のご賛同とご協力を望んでやまない。