関西部会長 田中 雅子(帝塚山大学)
2025(令和7)年2月8日(土)午後1時30分から、日本マネジメント学会の第2回関西部会が大阪成蹊大学で開催された。概要は以下のとおりである。
◆研究報告 報告者1:大平義隆氏(北海学園大学)テーマ:「マネジメントの、二つの全体と個-K.レヴィン、C.I.バーナードに従って-」
◆研究報告 報告者2:高岡慎一郎氏(甲南大学ビジネス・イノベーション研究所)テーマ:「ラグビー日本代表ヘッドコーチとGMの共同リーダーシップに関する研究」
◆実務家講演講演者:水井裕氏(株式会社ココウェル代表取締役)演題:「ココナッツでエシカル経営」
今回3名の報告・講演をお聞きして感じたことは、その「真摯な姿勢」である。第一報告の大平氏は3月に退官を控えている。学会では若手や業績を積みたい人が積極的に報告をする傾向があるが、退官間近でも学会に問いかけ続ける姿勢からは、研究とは成熟してこその新境地を開拓できるものであるということを教えられた。
第二報告の高岡氏はビジネスマンである。仕事をする傍ら研究に取り組むことは、容易なことではない。時間を捻出して寝食を削りながらも、それが行えるのは、追求したい課題があるからだということが伝わった。
実務家講演の水井氏は、大学時代に抱いた問題意識に端を発し、ココナッツを介してフィリピンの貧困問題に立ち向かっている。最近、ソーシャルグッドという言葉がよく言われるが、それを行ううえで、まずはヒューマングッドが大切であることを、一貫して志を貫く活動から感じさせられた。このように内容のよさもさることながら、ともすれば忘れがちな、しかし年齢を重ねるごとに求められる「真摯な姿勢」が3名から伝わり、それは参加者の心を掴んだようだった。
当日は大寒波の影響から雪が降ったものの、万難を排して会場に足を運んでくださった参加者のおかげもあって、盛会のうちに部会は無事終了した。今回の参加者は、会長、元会長、部会の会長が勢揃いした豪華な顔ぶれとなったことも付記したい。ありがとうございました。
