2025年11月1日(土)、韓国経営教育学会の秋季の全国研究大会がHanbat National University(国立ハンバッ大学)で開催された。
当日は、KTXで1時間、大田へ行き、そこからジャンボタクシーで会場へ向かった。すでに多くの参加者が集まり、学会は盛況のうちに幕を開けた。
まずは、韓国の国家旗の下で静粛に開会が宣言され、内外来賓の紹介、オ・ヨンジュン総長(国立ハンバッ大学)の祝辞、ナ・サンギュン会長(圓光大学)の開会挨拶、表彰式があった。来賓紹介では、日本マネジメント学会会長 井上善海氏(九州情報大学)、総務委員長 奥山雅之氏(明治大学)、組織委員長 當間政義氏(和光大学)、派遣報告者 高橋真実(周南公立大学)の紹介が行われた。日本マネジメント学会の執行部3人が全員揃ってこの場に立つのは初めてのことであったときいた。
表彰式では、日本マネジメント学会を代表して井上善海氏と當間政義氏に感謝状と花束が贈呈された。続いて、長年にわたり韓国経営教育学会と日本マネジメント学会の関係を支えてきた功績を称え国際委員長の文載皓氏(常葉大学)に功労賞が贈られた。格式を重んじる韓国経営教育学会の開会式には非常に感銘を受けた。日本マネジメント学会の全国研究大会のプログラムのあり方においても見習うべきものが多分にあった。
基調講演は中小ベンチャー企業研究院(前・中小ベンチャー企業部次官)のチョ・ジュヒョン院長「AI時代の起業とアントレプレナーシップ」でした。AIが創業の速度・検証コスト・資金調達の様式を変える一方、倫理・データガバナンス・教育の再設計が鍵になるとの指摘が刺さりました。
その後、研究報告に移る。今年度は久々に海外研究報告セッションが設けられた。まずは、日本マネジメント学会より派遣報告者であり、今年度より韓国経営教育学会正会員となった高橋真実による“From Education to Practice: Examining a Consistent Learning Mechanism across FD/SD, Undergraduate Education, and Corporate Training”であった。続いて、砂川和範氏(中央大学)の“Ethics and Knowledge for Commerce: Rethinking the role of Merchant Intellectuals in Business Education of Early Modern Japan”、馬場晋一氏(長崎県立長崎大学)の“Comparative Advantages of Financial Systems: A Perspective on Equity Approach in the Asian Start-up”、呉贇氏(名古屋外語大学)の“Sino-Japanese Economic Cooperation in the Early of China’s Reform and Opening-up”、田中克昌氏(文教大学)の“Project-Based Learning to Promote the Growth and Co-Creation of People with Disabilities: Insights for Management Education from University Case Studies”の4報告が順次行われた。
報告は英語で、全員が非常に流暢な研究報告であったと記憶している。積極的に海外へ出ていくべきことを文科省は掲げており、我われ会員も努力すべき課題であることは間違いないことであろう。このような場として韓国経営教育学会は寛容な気持ちで報告を受け入れてくれるに違いない。そういえば、6月(夏季)の全国研究大会では、大驛潤氏(中央学院大学)が1名で参加し、報告されたこともここで明記しておく。日本マネジメント学会の会員による国際報告も増えてきており、研究の国際化への良い足がかりとなったことは言うまでもないと思いつつ、韓国経営教育学会参加報告としたい。
