関西部会長 田中雅子(帝塚山大学)
令和7年8月23日(土)午後1時30分から、日本マネジメント学会の第1回関西部会が
オンラインで開催された。参加者は19名。オンラインということもあり、全国から
参加者が集まった。概要は以下のとおりである。
◆第一報告
報告者:藤原 章 氏(長崎総合科学大学)
テーマ:「地域コミュニティにおけるインクルーシブビジネスの研究~CwCモデルの考察~」
◆第二報告
報告者:鷲谷 佳宣 氏(慶応義塾大学大学院)
テーマ:「経営理念浸透における教える側の学び:A社の対話事例にみる逆説的現象」
◆教育報告
報告者:中村 公一 氏(駒澤大学)
テーマ:「これからの経営教育を『経営戦略のまなび』から考える」
第一報告では地域コミュニティが直面している社会課題の解決には 「共同体メカニズム
(公共性)」を維持しながら 「市場メカニズム(市場性)」を採り入れることが必要であり、
その際、地域社会全体の発展を図る「インクルーシブビジネス」が有効であることを、経営
組織論や事例をもとに論じられた。
第二報告では、ベテラン社員が部下に経営理念を「教える」ということを通して、学びを
深めることを、参与観察とインタビューをもとに、それがどのようなメカニズムで生じ、
組織にとってどのような意味があるのかを検討された。
第三報告では、前身の「日本経営教育学会」より発展した本学会の「実践経営学」と
「経営教育」という学会創設時のアイデンティティに立ち返ることが必要という趣旨のもと、
大学教育にてベスト・ティーチング賞を複数回受賞し、それをもとに著書も執筆された中村
先生に学生の心を掴む極意をお話いただいた。さまざまなご努力や工夫を凝らされていること
がわかり、大変参考になったと参加者から声が上がった。
4時間にわたる長丁場ではあったものの、熱心なご報告と、活発かつ的確な質疑応答が行われ
部会は無事終了をした。ご参加いただいた皆様のおかげと感謝している。
次回の関西部会は2026年2月中旬(対面)を予定している。皆様のご参加をお待ち申し上げて
おります。