山城賞とは
日本マネジメント学会(旧日本経営教育学会)は、(1)経営体の諸活動に関する実践的研究、(2)日本的経営および国際経営の研究、(3)経営者・管理者の実践能力を育成するための経営教育の研究の発展と向上に資するため、会員の優秀な著書および論文を選定し、その業績を顕彰することを目的として、山城賞を設ける。(日本経営教育学会山城賞規程第1条,会報214号,2002.3より)
山城賞委員会の歴史
年 | 月 | トピックス |
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2000 | 6 | 山城賞の選考対象および方法について委員会を設置し検討することが承認。 |
2002 | 10 | 河野重榮審査委員長より審査過程の説明があり、第1号山城賞は辻村宏和著『経営者育成の理論的基礎ー経営技能の習得とケース・メソッドー』(文眞堂)に授与されることが報告。 |
2004 | 5 | 山城賞委員会(冨田忠義委員長) の委員が新たに選出され承認。 |
2006 | 12 | 山城経営研究所より本学会山城賞基金に50万円が寄贈。 |
2007 | 5 | 山城賞について若手研究者による研究論文を対象とした山城賞奨励賞の設置が承認。 |
2009 | 5 | 元山年弘「管理職への移行における諸問題」に山城賞奨励賞を授与することが承認。 |
2018 | 3 | 山城賞委員会(松本芳男委員長)において応募作品4件を慎重に審査した結果、柴田仁夫著『実践の場における経営理念の浸透』(創成社)が第2号山城賞を受賞。 |
2020 | 5 | 山城賞委員会(松本芳男委員長)において応募作品1件を慎重に審査した結果、中村圭著『なぜ中国企業は人材の流出をプラスに変えられるのか』(株式会社勁草書房)が第3号山城賞を受賞。 |
2021 | 5 | 山城賞委員会(辻村宏和委員長)において応募作品1件を慎重に審査した結果、小沢一郎著『進化的イノベーションのダイナミクス-変革期を超克する組織能力マネジメント-』(白桃書房)が第4号山城賞を受賞。 |
2024 | 3 | 山城賞委員会(辻村宏和委員長)において応募作品2件を慎重に審査した結果、木下耕二著『ダイナミック・ケイパビリティのフレームワーク-資源ベース再構成の組織能力ー』(中央経済社)が第5号山城賞を受賞。 |
2025 | 3 | 山城賞委員会(佐々木利廣委員長)において応募作品1件を慎重に審査した結果、野林晴彦著『日本における経営理念の歴史的変遷ー経営理念からパーパスまでー』(中央経済社)が第6号山城賞を受賞。 |
2025 | 5 | 山城賞の区分を著作部門と論文部門に名称変更と論文部門の応募資格の変更が承認。 |
歴代受賞者
山城賞受賞第6号
受賞年度 | 2024年度 |
著者名 | 野林 晴彦(のばやし はるひこ) |
著書名 | 日本における経営理念の歴史的変遷: 経営理念からパーパスまで |
出版社 | 中央経済社 |
出版年 | 2024年3月 |
受賞作概要 | 「経営理念」という言葉に注目し、その言葉と概念を歴史的に振り返り、あいまいで広範な意味をもつ経営理念の整理を行う。前半で、経営理念という言葉の誕生から一般への普及までの歴史を確認し、後半で、3つの概念のうち「企業組織の経営理念」の現在までの歴史的変遷を振り返る。 |





山城賞受賞第5号
受賞年度 | 2023年度 |
著者名 | 木下 耕二(きのした こうじ) |
著書名 | ダイナミック・ケイパビリティのフレームワーク:資源ベース再構成の組織能力 |
出版社 | 中央経済社 |
出版年 | 2023年3月 |
受賞作概要 | 競争優位持続のため、ダイナミック・ケイパビリティ(DC)が期待されている。本書は、グローバル・ニッチ・トップ企業のM&Aに係るDCの実相を、ミドルマネジメントの貢献の観点から、統合的な調査・分析の枠組みに基づき探究した。 |
山城賞受賞第4号
受賞年度 | 2020年度 |
著者名 | 小沢 一郎(おざわ いちろう) |
著書名 | 進化的イノベーションのダイナミクス:変革期を超克する組織能力 |
出版社 | 白桃書房 |
出版年 | 2019年11月 |
受賞作概要 | 企業が競争優位を持続する為には,様々なイノベーションを超克せねばならない。商品・サービスを提供する「企業等」とそれらを受け入れる「顧客」双方を常に念頭におき,イノベーションを引き起こし進行させていくダイナミクスを解明すると共に,企業の組織能力マネジメントに関する仮説群を構築した。 |
山城賞受賞第3号
受賞年度 | 2019年度 |
著者名 | 中村 圭(なかむら けい) |
著書名 | なぜ中国企業は人材の流出をプラスに変えられるのか |
出版社 | 勁草書房 |
出版年 | 2019年2月 |
受賞作概要 | 有能な人材が会社を去ることを「損失」ではなく「合理的」だと考える経営とは一体どういうものか?日系企業には手に負えない中国人エリートの「流出」が、なぜ中国企業や中国社会では「合理的な流動」と捉えられるのか? 本書は長期フィールドワークに基づいて経営学、社会学、イノベーション論等の理論を援用して分析、その成果は日本の雇用流動や企業のマネジメント、DEI実践にも示唆を与える。 |
山城賞受賞第2号
受賞年度 | 2018年度 |
著者名 | 柴田 仁夫(しばた きみお) |
著書名 | 実践の場における経営理念の浸透-関連性理論と実践コミュニティによるインターナル・マーケティング・コミュニケーションの考察- |
出版社 | 創成社 |
出版年 | 2017年2月 |
受賞作概要 | 戦略を実行してもほとんどの場合、当初の想定通り物事が進まないことがほとんどである。その原因の1つは環境変化への対応は当然のことながら、自社の従業員にとって経営理念が「絵に描いた餅」となっているからである。本書は個々の従業員に理念が浸透するプロセスを経営学だけでなく言語学、認知科学、教育学など様々な学問の視座から解き明かす。 |
山城賞受賞第1号
受賞年度 | 2001年度 |
著者名 | 辻村 宏和(つじむら ひろかず) |
著書名 | 経営者育成の理論的基盤-経営技能の習得とケース・メソッド- |
出版社 | 文眞堂 |
出版年 | 2001年6月 |
受賞作概要 | 非実証的で事後的判定概念でしかない「経営技能(経営手腕)」と経営学理論との非連続性を独自の概念「非・管理プロセス(N-MP)」を基礎に論証し、“山城経営学”を経営教育学に高めんと、冒険的な仮説構築に挑む気鋭の書。 |
応募資格・応募要領
◇◇山城賞(著書部門)募集のご案内◇◇
2025(令和7)年度山城賞(著書部門)を以下の要領で募集いたします。奮ってご応募ください。自薦または他薦をお待ちしております。なお山城賞奨励賞については、タイトルを山城賞(論文部門)に名称変更し、今年度は学会誌『経営教育研究』第28巻(2025年7月)に掲載された査読論文を審査対象にすることになりました。
1.選考対象
対象作品は、2024(令和6)年10月1日~2025(令和7)年9月30日までの1年間に発行されたもの。ただし、対象者は本学会会員であり、応募作品は本学会の研究活動に関連する領域のもの(後記「4.山城賞(著書部門)の応募基準」に従う)とし、同一単行本の連続応募は認められない。
2.山城賞(著書部門)の応募対象
単行本(日本語または英語に限る。共著も可であるが、2 名までとし各人100頁以上の執筆分担が明確なものとする)
3.応募方法
自薦、他薦いずれも可。
- 自薦の場合:当該作品5 部および①内容要旨(A4用紙で1,200 字程度)と②履歴書③振込口座明記の用紙(下記の注参照)を提出。
(注)山城賞(著書部門)の場合は、提出された作品(単行本)5 部のうち 2 部が応募者の負担軽減のため学会買取りとなる。代金振込先を明記した用紙(書式は任意)を同封すること。作品および提出書類は返却しない。
(2)他薦の場合:自薦の提出書類に加えて他薦の推薦書(A4用紙で以下の6 項目を記載したもの)を提出。
①推薦者氏名
②推薦者所属機関
③推薦者の連絡先
④著者名および書名
⑤出版社(発行所)名、および出版年月
⑥推薦理由
4.山城賞(著書部門)の応募基準
日本マネジメント学会会員の著書で経営体の諸活動に関する実践的研究の発展に資するもの(下記①~④参照)であること。
①経営原理の歴史的展開または体系化、さらに経営環境の変化に伴う新しい経営原理の提起に関するもの。
②(あるいは)経営原理の実践に関する技法の体系化、技法の新展開に関するもの(経営原理に基づいて開発された技法であること、開発された技法が新しい経営原理を導くものであること)。
③(上記①あるいは②については)研究領域は事業体を問わない(いわゆる非営利事業体の全てをも含む)。また地域的特性(国際化、各国別特性-日本型経営など、各国別比較など)や経営体の機能別(財務、人事・労務、製造、マーケティングなど)、階層別(経営リーダーシップと管理リーダーシップ)分野を問わない。
④先行研究レビュー、引用出典の明示、参考文献など学術文献としての形式要件を充足するもの。
5.応募締切り
締切り:2026(令和8)年1月5日(月)必着
応募先:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-6-5 九段会館テラス2F
(株)山城経営研究所内 日本マネジメント学会事務局